読書

 中国で村上春樹が爆発的人気、経済成長が背景(読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/culture/news/20041120i105.htm ちょっと意外。経済的に豊かな「小資」(プチブル)や「白領」(ホワイトカラー)に人気があるらしい。 しかし「伝統的な日本文学に特有の悲壮感や圧迫感がないことから、日本を意識せずに読み進め…

 阿部和重「シンセミア(上)(下)」(朝日新聞社 2003)ASIN:402257870X ASIN:4022578718

20世紀最後の夏、神の町で何が起きたのか? 占領下の血塗られた歴史と三つの事件が同時多発的に炸裂する現代小説の問題提起作。『アサヒグラフ』『小説トリッパー』掲載に大幅な加筆をして単行本化。(「MARC」データベースより) 図書館で借りて読んだ。 読…

 斎藤美奈子「文壇アイドル論」(岩波書店、2002)ASIN:4000246135

村上春樹に村上龍、吉本ばななに俵万智、みんな「文壇村」のアイドルだった− 書評・作家論からゴシップ記事に至るまで周辺の膨大な資料を渉猟し、「一人の物書き」をアイドルにつくりかえる時代の背景に果敢に切り込む。林真理子、上野千鶴子、立花隆、田中…

 加藤詩子「一条さゆりの真実」(新潮社 2001)ASIN:4104438014

大阪市西成区のあいりん地区(釜ヶ崎)で暮らす、”伝説のストリッパー”一条さゆりを取材したことをきっかけに、著者は彼女が亡くなるまでの2年間、密接なつながりをもつことになる。特に最後の1年間は半同居生活といってもよいほどであった。 一条さゆりは…

 池田浩士「虚構のナチズム」(人文書院 2004)ASIN:4409510533

あの熱狂はなぜ生まれたのか。第三帝国の根源に光を当てる文学、演劇、映画、放送など表現に関わる多様な分野で、ナチスはドイツ民衆の意思と感情を動員することに成功した。この秘密はどこにあったのか。著者は、ワイマール時代からナチス時代にかけてのあ…

 柳下毅一郎「興行師たちの映画史」(青土社 2003) ASIN:4791760972

リュミエールを元祖とし、奇術師オーソン・ウェルズまで、企画・撮影・出演・宣伝・上映を一手に握った興行師たちが、特定の観客にあてこんでつくったエクスプロイテーション(搾取)映画こそ、映画史の本流だった!(「MARC」データベースより) トッド・ブラ…

 フィリップ・ゴーレイヴィッチ「ジェノサイドの丘 −ルワンダ虐殺の隠された真実(上)(下)」(WAVE出版 2003)ASIN:4872901584 ASIN:4872901592

アフリカ内陸部の小国ルワンダ。四国の約1.4倍の面積に、850万人の人々が暮らす。 '94年4月、この国で大虐殺が起きた。人口の85%を占める多数派フツ族が、マチェーテ(山刀)とマス(釘を埋め込んだ棍棒)を手に、少数派民族であるツチ族を襲ったのだ。百日…

 今よみがえる名作 ダイソー文学シリーズ「近代日本文学選」全30巻

http://www.daiso-sangyo.co.jp/item/2004/03_1.html 100円ショップで日本文学の名作が。ダイソーっていろいろ考えるね…。 著作権が切れたものをピックアップするという「青空文庫」方式だけど、セレクションはなかなかシブい。種田山頭火「草木塔」とか…

 村上”ポンタ”秀一「自暴自伝」(文藝春秋、2003)ASIN:4163653104

ほんとは「音楽中心日記」の方に書きたかったんだけど、更新できない状況なのでこちらに。 日本が誇る超一流ドラマーの半生を、真保みゆきが聞き書きしてまとめたもの。 人柄を彷彿とさせる豪快なエピソードが山のように出てくる。 たとえばどんなのかという…

 柳下毅一郎スペシャルインタビュー 「オリジナリティなんて大したことない」(エキサイト・ブックス)

http://media.excite.co.jp/book/interview/200402/ id:andre1977さんとこで知った記事。映画からSF、殺人研究まで。 蓮實重彦が凄いのは、たとえばツイ・ハークの香港アクションを見て「ワイヤー・アクションが凄いです」って言うと、「その吊りってなんで…

 「悪人志願 −アウトロー群像」(本橋信宏、メディアワークス、1999)ASIN:484021297X

いわゆる「アウトロー的な人々」へのインタビュー集。著者は伝説のカルト写真誌「スクランブル」編集長だった人。 とりあげられているのは、青木雄二(元漫画家)、村西とおる(AV監督)、江頭2:50(お笑い芸人)、苫米地英人(脳機能学者)、杉山治夫…

「赤坂ナイトクラブの光と影 −『ニューラテンクォーター』物語」(諸岡寛司、講談社)ASIN:4062117371

かつて東京赤坂に存在した高級ナイトクラブ「ニューラテンクォーター」に、昭和34年のオープンから平成元年の閉店まで一貫して携わった人物による回顧録。 「ニューラテンクォーター」というと、かの力道山刺殺事件の舞台になったとか、あの大火災を起こした…

 「劇画狂時代 −『ヤングコミック』の神話」(岡崎英生、飛鳥新社)ASIN:4870315203

「ヘイ・ブルドッグ」の書評を読んで興味を持ち、図書館で借りた本。 1967年に創刊された青年劇画誌「ヤングコミック」に編集者として関わった著者がその時代を回顧する。青年マンガ誌というものの黎明期の記録だ。 僕は1964年生まれなので「ヤングコミック…

 村上春樹比喩集 (ネタ元:Not a Serious Wound)

http://www5a.biglobe.ne.jp/~vita/H.M.hiyusyu.htm あの比喩はなかなか真似できないんだよね。ギャグになっちゃう。それはともかくちょっと色使いが目にキツいですね。

『隠蔽された障害』が絶版になった理由

以前にとりあげた「隠蔽された障害 マンガ家・山田花子と非言語性LD」(http://d.hatena.ne.jp/Andy/20031112#p1) に関する追加情報。 id:goito-mineralさんが、絶版に関する経緯の書かれた雑誌(「アックス」VOL.29)を読まれたそうで、その内容について書…

ジェームズ・エルロイの『ブラック・ダリア』が映画化決定!!(CDJournal.com)

http://www.cdjournal.com/main/news/news.php?nno=5649 監督はデヴィッド・フィンチャー降板によりブライアン・デ・パルマになるのだとか。 「ブラック・ダリア」は個人的にエルロイにはまるきっかけになった作品で、自分としてはけっこう思い入れがある。…

隠蔽された障害 マンガ家・山田花子と非言語性LD」石川元著 岩波書店 ASIN:4000221124

「小心者の杖日記」10/22で知って図書館で借りた本。いったんは出版されたものの山田花子の遺族の抗議により絶版になったといういわくつきの本だ。 著者は精神科医で香川医科大学教授でもある人物。山田花子が残した作品や日記を根拠に、彼女が「非言語性L…